福島民友新聞社とふくしまFMが共同で展開する防災啓発特集「♯イイソナエキャンペーン」。
第4回のテーマは「大雪へのソナエ」です。
福島地方気象台の鳴海敏徳気象情報官に、過去の大雪災害の事例や気象情報を活用した
大雪のリスクを避ける暮らしの心構えなどについて伺いました。
福島地方気象台
間もなく降雪シーズンを迎えます。本県では2010(平成22)年12月25日、会津若松市で1日の降雪の深さ日合計が94cmに達する観測史上2位の大雪が降りました。国道49号が通行止めとなって約300台の車両の立ち往生が発生しました。14年2月14日から16日には、南岸低気圧の影響で中通りに大雪が降り、一般道路・高速道路の通行止め、鉄道の運休・遅延などの交通障害が発生。除雪作業や歩行中の転倒で多数のけが人も出ました。
このように、大雪は建物被害や人的被害だけでなく、交通障害や電線の断線、送電鉄塔の損壊など生活インフラにも大きな影響を及ぼします。大雪への備えとしては「食料の備蓄」「懐中電灯・携帯ラジオなどの準備」に加え、「不要不急の外出を控える」意識が大切です。そのためにも、事前の情報収集を心掛けましょう。
大雪に関する気象情報は、テレビやラジオ、インターネットなどで入手可能です。気象庁ホームページでは、お住まいの市町村の気象情報をまとめて閲覧できるほか、約5km四方に区分けした地域の積雪と降雪量の実況を1時間ごとに推定した「解析積雪深・解析降雪量」や、6時間先までを面的に予測した「降雪短時間予報」も閲覧できます。当気象台ホームページでは、これらの予報の使い方を詳しく案内しています。ぜひご活用ください。
大雪をはじめとした気象災害は、防災気象情報を活用すれば被害を未然に防いだり、軽減したりすることができます。当気象台では、大雪のおそれがある際は大雪注意報(大雪警報)、風雪注意報(暴風雪警報)、着雪注意報、なだれ注意報などを発表して注意・警戒を呼び掛けています。気象情報に十分注意し、外出の予定がある場合は時間に余裕を持って行動してください。
約300台の車両が大雪で立ち往生し、ドライバーは車内で一昼夜を過ごした
=2010年12月、国道49号(西会津町)
【福島民友新聞 2022年12月11日より】